生活のヒント 負の遺産の時代

 
〜根本を感じて前に進むA〜
「大国」の限界を知る。


編集部
 
   
 確かに、今の日本国憲法は、戦勝国のアメリカに押し付けられた嫌いはあるでしょう。9条に矛盾があるのも、米国が朝鮮戦争から日本の軍備を必要としたために、自衛隊という存在が必要となり、日米同盟も長く続いております。それのよしあしの話ではなく、そういう現実と矛盾の中で自分たちは、安全で規則正しい国家の中で守られて世間知らずであっても、選挙にすらいかない無関心人間でも、単なる批判や言うだけの口だけ人間であってもフツーに生活できる環境を得ていたのだと感じます。

 それも、今までの日米の関係の力関係のもとであります。

 トランプ氏が何をしでかすか・・・・。筆者も想像の範囲ではとても恐ろしい。また、彼の支持基盤を知ると、わが国の「負け組」の様相と至極にておりますから、明日はわが(国)身・・・・という感覚も起こります。身分保障も昇給も昇格もなし。ボーナスなんてとんでもないし、ましてや退職金や老後の年金なんて夢物語の人間が、筆者も含めてゴロゴロの時代なんですから。資本主義のゴールが格差社会であることを日々体感している人たちが(私も含めて)何を求めるかです。今は、まわりがみんなそうだから諦めて黙っているだけ・・・・と感じています。

 筆者は、今の世の中が余りにも多数の「裸の王様」によって理不尽に運営されていることに日々唖然として過ごしているので、強大な権限を持つ「裸の王様」が出現したことに人類の運命の皮肉をひしひしどう受け止めたらいいのか、夢の中でも考えてしまいました。世界は、ある意味「ガラガラポン」が必要なのか、とんでもない犠牲が出るんじゃないか・・・・という、恐怖はしばらく付きまといそうであります。

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 目下、二つの超大国は大きな矛盾の中にある。
 アメリカは、移民で立国した国であるのに、主人公であるはずのWASPが資本主義の原則のもとにチャンスのない窮乏層になると、その大儀をぶち壊したくなっているし、元にもどれるはずがないのに、そういうささやきに乗ってしまう・・・・ということが現実に起こってしまう。

 中国は共産主義(一党独裁)がテーゼで、金儲けは昔だったらブルジュア的だとつるし上げらたのに、もともとの商売好きの商売上手という民族性もあり、国家体制はあくまで建前で、世界のだれよりも資本主義以上の儲け主義を謳歌したがっている。

 日本が建前と本音の国・・・・とずっといわれてますけれど、GDP一位と二位の大国はもっともっと矛盾しています。今回の「ショック」は、いわゆる「グローバルニズム」の崩壊である・・・・という有識者の意見を聞きましたが、まさに筆者がずっと感じていた「時代の切れ目」が、チョッキン!!と音を立てたのだと感じております。
   
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 大英帝国はビクトリア女王の時代をピークとして、ゆるやかにかつ確実に崩壊しました。この夏のEU脱退にいたる「感情」について考察していくと、案外納得がいくものです。かつてのイスパニア(スペイン)から得た世界王者のチャンピオンベルトを奪取してから、どれくらい王者でいられたでしょう。このきっかけになっているのは、日本の大東亜に対しての進出であったことは、是非もない。東南アジアの多くがこの戦によって独立していきました。日本は灰塵になるまで戦いましたが、戦勝国のはずの英国は手足となっていた属国をどんどん失っていきます。それがいいことか、わるいことか、さあ、どうなんでしょう。

 第二次大戦後は、ずっとアメリカがチャンピオンでした。ソ連が崩壊して、社会主義国がどんどん倒れてからは、世界の頂点は圧倒的にアメリカ合衆国でありました。アメリカは正義の味方・・・・であったのか、どうなのかはカンタンな話ではありません。ただ、イラク戦争にしても、アルカイダやISの発生にしても、原因になっているのは、どこのどなたで、根底に「優生思想」としての驕り・・・・はどうしても感じてしまいます。



       

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 優生・・・であるべきものが、どーしてこんな状態なんだ・・・・と、皮膚感覚の違う新参者に憎しみを持ち続ける・・・・・。韓国ドラマで登場する没落両班にしても、明治ご一新後の不平士族にしても、その憎しみや怨嗟の感覚は、どこか似ております。そういう心というのは、人にはどこかあります。定年退職してから普通のお爺さんになれない人は大企業の偉い人だったり、役人だったり、とかくいう筆者も家系の歴史を考えて、しばしば無念な気持ちになることもありますから、既得権や地位、ようするに人が持ちたがるプライドというものは、誰しも似たような感覚があるのだと思います。「誰かより、私はえらい、勝っている・・・」みたいな、シンプルな感情です。小さな職場の人間関係も、そんなことでキリキリ悩む人はとても多いことでしょう。そういうことで、やたらムキになる人も、実際とても多いです。特にタテ社会の場合、本気でそのことにエネルギーを注ぐ人が多くなるようです。

 続く
                            記載 2016年11月19日
  
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