生活のヒント 離婚後の人生

 
〜×イチ×ニになって・・・〜
結婚と離婚についての異論????


編集部
 
   
 目下×2で、しかもひとつは国際結婚の経験のある筆者の個人的意見であります。

 実際、筆者の周辺でも離婚経験者は多くおります。どうも、熟年離婚(これは、男尊女卑のあげくに旦那さんが奥さんに見捨てられるケース)がもっとも悲惨で、若気のイキオイで結婚・・・そして、早々離婚・・・というケースがもっともお互いにやり直しがし易いようであります。

 ただ、私にとって、二回の離婚は、一般的な感覚ではどちらも離婚しないでも、そこそこの仮面夫婦で維持できたのでは・・・・という感じも持っています。筆者の元奥さんや前奥さんとも未だに友人関係はあり、元奥さんとの間には子供も孫(筆者は40代で孫ができています)とも交流しているからであります。

 世間体・・・というものを、いったん外してしまうと、夫婦の本音では「離婚したほうがいいんじゃないか」・・・という内心が起こるときもあります。先進国は一般的に離婚が多く、フランスやイタリアでは別れた家族が普通に再会することに寛容で、筆者の深く関わっている東南アジアでも、夫婦が別れても、共通の子供たちは実の父母のもとへ気兼ねなくいき来して、そこに新しい家族がいても家族が離れて多くいる・・・・くらいの寛容な社会があります。
 今の日本社会の価値観は、決して技術や製品のようにグローバルではなく、明治維新のときにほとんどフランスの一夫一妻制の民法を翻訳して造った強引な家族制度で、上流社会の者は、そんなの無視して側室や妾は存在していたし、権力や金があれば徴兵も逃れたし、「世間体」だってどうにでもつくろってやってきているのです。中間層が激増した高度経済成長期からバブル時代までは、庶民も頑張っただけのチャンスや報酬があり、誰でも幸せな家庭を築くチャンスがあったのですが、「上」の人たちにとっては、そんなの生意気で、自分らだけがもっと得できる社会がいいから、経済規模が大きくなっても働くヒトに分け前をあげるのがバカらしくなってしまったのでしょう。デフレをいい口実に、働くヒトをただのとっかえのきく作業員として落とすのが当たり前の社会に変えてしまったのであります。選挙で勝ちたいから、ボリュームゾーンの高齢者に機嫌とるような政策で既得権をキープしております。若い世代が選挙いかないから、いいようにされておりますね。


 私が感じたのは、現代の日本という国の価値観、世間の思い込みや法律が仮面夫婦を多く造り、また、夫婦と子供がいて、男の収入がメインで奥さんの収入が副であり、しかも公務員か正社員でいる亭主が当たり前・・・・という前提の社会制度のあり方や、中途半端な儒教の名残りみたいな価値観が保守層に根強くて、不自然で歪な格差社会と世代のリレーを断ち切る超高齢社会を生み出してしまったような気がしてなりません。
   
                ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★

 私の両親は、昭和一桁生まれのニューファミリーの先がけですが、世間体というものを何よりも重視する世代で、筆者が離婚したり、外国人と再婚したりしたことを非常に恥じて、息子がこの世の最低の罪を犯したような騒ぎを長くしておりました。

 なんだか、韓流時代劇ドラマでよく登場する、聞き分けのない大妃(テビ)様や暴君の王様が、ご自分の信じる大義名分とプライドのために(実際は保身のための側近や重臣にそそのかされていることが多い)、大切な跡取りやかけがえのないはずの身内をこっぴどく、理不尽に攻撃して痛みつけるような・・・そんな感覚であります。

             ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★

 「離婚」というものが辛いのは事実であります。
 別れる家族も心配ですし、心に傷もつきますし、からかわれたり、他人事だと思って面白がられたり、悪い冗談を言われたり、世間は勝手なことをいうモノであります。

 そんなことを言うヒトに限って、本人は仮面夫婦であったり、奥さんには内心で「離婚したいけど経済的にタイヘンだから別れないほうがマシ・・・。」程度の旦那だったりします。また、浮気や風俗買いを楽しんでいて、奥さんにはバレテいないつもりでも実はほとんど見透かされている「裸の王様」だったりして、熟年離婚の候補者にランキングされているケースもしばしばであります。なんだかんだいっても男社会は続いていますから、KY親父や島国根性のジジイたちが勘違いしている世の中は、しばらく維持してしまいますよ。困ったものです。将来を思うと、意味がない。

            ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★

 今回は、このあたりにしておきますが、筆者の老いた両親も80歳をすぎ、次第に心と体が衰えてからの変化について記します。

 筆者が離婚したことについての評価は、最近そんなにひどくありません。
 なぜかといえば、両親の「世間」で、熟年離婚のケースが頻発して、息子だけじゃないんだ・・・・という認識が生まれたこと。世間で離婚がかなり多くて、そんなに恥ずかしいことではない・・・と、世間を少々知ったこと。

 別の要因では、離婚しても血のつながりは切れず、息子も孫も、ひ孫も、別れた元の嫁も笑顔で会いにきてくれることが、世間のだれそれが、あーだこーだと、無責任に言い放つことの評価よりも「ウレシイ」・・・・と、実感するようになったからです。

            ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★

 ますます、世の中は格差社会がひろがり、自分の子孫を残すことすら許さないような報いのない資本主義が限界まで進行しております。

 所属している会社や組織に無欲で奉仕して、報われないことを苦にせず日々働きに働くことで満足できる人間以外は、別の価値観で幸せを探す時代に突入しているのかもしれません。使い捨てにされることに麻痺しないと、日々の仕事もやってられないですからね。会社がでかくなっても、さらにでかいものに飲みこまれるのが目下のグローバル社会で、さらにさらにごく一部の人たちに「利益」とやらは吸い上げられ、現場でたたき上げて、幹部になったつもりでも、知らぬ間に一兵卒・・・にされるか、斬られてしまう、しくみであります。一兵卒たちの社会保障なんて、今の経営者たちには「眼中にない」のがほとんどでしょう。



      


            ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★

 もし、この記事を未婚の若い世代が読んだ場合、筆者はあえていいたいのであります。

 ・・・・・。ですけれど、結婚はやってみなさいね。大切な人生のチャレンジです。世の中、おうおうにして、失敗したことのないヒト、要領よく逃げ切ったり、ヒトの成果をくすねたり、ライバルやただ生意気な伸び盛りの奴をつぶすことで生き延びて偉くなったと勘違いしているヒトたちも多くおります。

 そういうヒトは、「・・・だから自分は大丈夫だけど、何々・・・・」みたいな、ヒトの批判をして自分は正しい・・・とでもいいたげな輩が案外エライ地位に収まっていたりしますが、実態は家族や周囲から嫌われていて、辛いヒト、困っているヒト、チャンスのないヒトなどに真剣に解決策を考えてくれるわけではありません。また、ハッタリや見栄坊も多いし、豊かなヒトはおうおうにして、ケチですから、彼らのアドバイスを真に受けてもなんにもなりません。そんないい人だったら、こんな社会を放置しておくわけがなく、人口を減らして、チャンスを奪って、結婚も子育ても不自由な社会をわざわざこしらえるワケがありませんでしょ?

 
 これは、あくまで「異論」であります。
 しかし、筆者はどん底や海外生活経験もしていますから、ヒトの幸せについては真剣に考えています。

 離婚が将来やってきても、今からそれを怖れず、素晴らしい「家庭」を築くことをチャレンジしてください。世間体なんて二の次でいいのです。冷やかしレベルのヒトなんて、あなたの「世間」ではありませんし・・・・・。



                            記載 2016年10月2日

  
Copyright 2012 Tama Ranzou all rights reserved.