★不登校児を持つ親の体験記

 
お蘭の「ママ仲間」の手記A


 お蘭 「娘がフリースクールに通っていますので、同じ立場のママ友がいます。子供を見守る立場として、共感できることもたくさんあるし、励まし合う事もよくありますね。」


  


 高校1年男子の母です。

 中学2年に進級してすぐに不登校になりました。
 それまで勉強も部活もそつなくこなし、特に問題もないように思っていたのですが・・
 男の子なので口数も少なく気付かなかっただけで、いじめがあったようなのです。

 でも、自分で言わないのに親だけが学校に訴えていくのは違うと思い見守っていましたが、学校を休めば休んだだけ、復帰も難しくなるだろうし、教室や友達の中にも戻りにくくなると思い、ただただ心配しやきもきするだけの毎日でした。

 それからというもの、朝起こしても起きなくなり、昼過ぎまで寝ている、不機嫌で調子が悪いと言って家にひきこもるようになっていきました。
 家族の中でも孤立し、ずっとこのままこんな状態が続いてしまうのかと心配で親のほうがストレスで倒れてしまいそうでした。

 心底疲れてどうにもならなくなり、病院で診てもらいました。

 「起立性調節障害」とのこと・・・もっと早く受診すればよかった・・・

 起立性調節障害とは、めまいや立ちくらみなどを起こす自律神経失調の症状で、めまいや立ちくらみ、頭痛などを起こすそうです。
 息子は頭痛や、特に腹痛がひどく、悪い時は朝起き上がることができない状況でした。あまり聞きなれない名前ですが、今はけっこう多いとのこと。息子もはっきりわかったのでホッとしたようです。

 それからは、通院しながら、中学のスクールカウンセラーに相談することにしました。
いじめの問題も些細なことだったようで、以前より前向きに学校のことを考えられるようになったようです。

 人生まだ始まったばかり・・少しくらい休んだって大丈夫、と息子を励まし、少し休んで生活を立て直すことを先に考えることにしました。
 こういう辛い体験も、きっと今は必要があって与えられている経験なんだと、家族でとことん話し合いました。
 今まで周りからの理解が得られなかったのが嘘のように、家族もこれを機会に絆が深まったような気がします。

 今は通信制の高校に巡り会い、先生方の協力のもと、本人も前向きに将来のことを考えています。
 まだまだ朝からの活動は大変なことも多いですが、少しずつ成長しているんだなと実感できています。
 

2012年5月20日掲載

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