★不登校児を持つ親の体験記

 
お蘭の「ママ仲間」の手記B


 お蘭 「娘がフリースクールに通っていますので、同じ立場のママ友がいます。子供を見守る立場として、共感できることもたくさんあるし、励まし合う事もよくありますね。」


  


高校2年女子の母です。

 中学3年からいじめを受けるようになり、学校に行かれない日が多くなってきました。
朝も起きられず昼過ぎまで寝ていることが多くなり、夜中は一晩中ネットゲーム。どんなに説得しても治らず、改善できません。
 
 本来なら受験し高校進学を考えなければいけない時期でも、まったく先が見えず、家族で毎日のようにもめる日々でした。

 どうすることもできず、ある日知り合いから聞いた精神科で入院治療をしていただける話を知り、病院で診てもらうことにしました。
 
 診断結果はうつ症状があり、境界性人格障害とのこと。
昼夜逆転の生活、ちょっとしたことで怒り、パニックを起こす。家族ではどう受け止めてあげたらいいのかわかりませんでした。

 それで、しばらく入院して家族から離れてみるのもいいのでは・・という先生の進言もあって、入院させてみることにしました。
 入院といっても開放病棟で特に制限もなく、それなら自分を見つめなおすいい機会なのではないかと思い、決めました。

 娘は何度も抵抗し、帰りたいと訴えますが、主治医と話した結果、短期の入院で様子をみたほうがいいだろうとのことで、なんとかなだめて入院させました。

 ところが、実際入院させてみたら、もっと状態の悪い子が多く、とても居心地が悪かったようで、毎日電話で泣きました。でも、そのうち同じ悩みを持つ子との交流や、もっと深刻な子たちを見て考えさせられたようでした。
 
 実際、入院している子たちの中で娘は軽い方なので、本当は1ヶ月の予定でしたが、1週間で退院することができました。

 ただ、入院することで自分とも向き合ういいきっかけになったようで、朝も起きて日常生活が普通に送れるようになっていました。その後も、それなら学校にも行けるかもしれない・・と今は通信制のフリースクールに通っています。

 まだまだ状態の悪い日もあれば調子のいい日もあって、不安定なところもありますが、学校はちゃんと行っていますので、ずいぶん成長したと思えます。

 急な予定の変更や、環境の変化に注意すれば、ふさぎこむこともなくなり、少しずつ学校生活を楽しむ余裕も出てきて、親としても一安心です。

 

2012年6月02日掲載

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