★不登校児を持つ親の体験記

 
お蘭の「ママ仲間」の手記C


 お蘭 「娘がフリースクールに通っていますので、同じ立場のママ友がいます。子供を見守る立場として、共感できることもたくさんあるし、励まし合う事もよくありますね。」


  


 私の息子は発達障害とADHDと診断され通院しながらサポート校に通う高校3年です。

 幼稚園に上がる頃はまだ、ゆっくり成長するタイプでこだわりの強い甘えん坊なのかと思っていました。

 でも幼稚園での集団生活では、落ち着きなく、わからないこと、初めてのことなどパニックを起こしてしまうことしばしば・・・
 小学校に入学してからも、まず自分の席にじっと座っていることができない。しょっちゅう立って周りの子にちょっかいを出しては注意される。そんな繰り返しでした。

 その後はクラスにいたガキ大将タイプの子のいたずらを担任に告げ口したことがきっかけいじめの対象になってしまったのです。
 息子にしてみたら軽い気持ちの正義感。よせばいいのにその子に関わってはいじめられました。ある日はいじめっ子グループに待ち伏せされ殴られる。教科書や文房具を隠される。ノートに「死ね」と書かれる。そんな毎日が続きました。

 もちろん担任にも直訴しました。でも、見て見ぬふり果ては息子が悪いと言われる始末でした。

 いじめのことや、授業では読み書きが苦手だったこともあり、少しずつ学校に行かれなくなっていきました。最初のうちは励ましたりなだめたりしながら、一緒に送っていっては早退したりの毎日でしたが、いつしか完全に不登校になってしまったのです。勉強に行き詰っていたこともあり、学校やスクールカウンセラーに相談しました。
 発達障害の可能性を考え、検査を受けたほうがいいとのこと。意を決し病院に行き診てもらいました。

 知能検査、脳波の検査の結果、発達障害とADHDと診断されました。
 夫とも相談しましたが、どうしてうちの子が?子育てを誤ってしまったのか・・と毎日苦悩し、喧嘩もしました。毎日泣きました。
 でも、そんな中でも息子は成長していく・・きちんと今の息子にあった療育を受けさせなくてはいけない。
 そう思い直すにも時間がかかりましたが、とりあえず前に進まなくてはなりません。

 息子の為にできること・・

 親はできるだけ一緒に寄り添い理解してやること。迷惑かけようと思ってそうなっているのではない。息子自身が一番苦しんでいるということ、それを一番理解してやらなくてはならないのは親なのです。

 学校はそこをサポートする為にも、専門の機関しかないと思いました。
 中学は保健室登校など、在籍していただけで、ほとんど行かれなかったので、高校から気持ちを新たにするためにも綿密に選びました。
息 子と一緒に何度も通って面談し相談した結果、サポート校に入学することに決めました。

 今はその学校、今の担任の先生のおかげで毎日楽しく学校に通学しています。もちろん、まだまだ周りを困らせることもありますが、生き生きとした息子の人生を取り戻すことができて本当によかったと思っています。

 

2012年6月19日掲載

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