旅が終わってなにかが変わる。
★春のふれあい

 春の決意
 環の旅の成果D

-環くんが旅から帰ってきて・・・・・。-

      前回

   
環の旅は新鮮でしたが・・・・。  
 


 
旅の直後に熊本地震がありました。  
 
 
立花の兄さんは剣道の達人でした。  
   
 
リカちゃんは清楚系美人でした。  
-環くんの旅の概要は、姉の田万里ちゃんから、両親にさりげなく伝わっております。-

【田万里】・・・・。まあ、こんな風だったようだから、環の感動みたいなものは、あるていどそっとしておいてもいいんじゃないかって・・・・。

【お蘭】そーね。あの子の新鮮になった感覚は、彼のものですからね。

【乱蔵】予算との関係はどうだったんだろうか。

【田万里】そこだけは、固くやってたみたいだから、あんまり心配しないでいいんじゃないの・・・・・。

【お蘭】パパは、自分がすすめたユースホステルや鉄道路線を使わなかったのが、なんとなく面白くないみたいね。

【乱蔵】そんなんじゃないけど、高校生なんだからユースぐらいが安全だと思ったから。

【お蘭】でも、環なりに安全と好奇心の間で悩みながら旅を進めたようだから、それでよかったんじゃないの。

【田万里】とにかくフレッシュな感覚をゲットしたことは間違いないから、よかよか・・・にしたらいいと思うわ。

-乱蔵は、息子が無事に帰ってきたことはよかったものの、もうちょっと、ダイレクトで様子を聞きたかったようですね。-

【お蘭】でも、あの子が悩んでいた、彼女のクルミちゃんの件は、すっきりできたのかしら・・・。

【田万里】そーね。最近、連絡とっているのか、その話はよくわかんないし、熊本地震があって、環は九州で知り合った人たちと連絡とりあっていろんなこと心配していたから、クルミちゃんの話題はすっかり聞いてないわね・・・・・。

【乱蔵】うーん・・・・。タマキの悩みはとりあえず別の忙しさですっ飛んでいたようだが、クルミちゃんにとっては「預かり知らぬ」ことだから、実のところはどーなんだか・・・????

-乱蔵は、ひとつのことに夢中になると、他のことが見えなくなってしまう息子の性格に、ちょっと危うさを感じている様子ですね。タマキは勉強部屋で受験勉強に専念しているようですが、週末の多麻家のリビングは、タマキの話題で盛り上がっております。-


【田万里】九州で知り合った、用心棒剣士の立花さんにすっかり可愛がられて、製薬会社の営業車に便乗させてもらって、九州各地をウォッチングさせてもらったらしいわ・・・。

【お蘭】そうだったのぉ・・・・・。立花さんは製薬会社の営業マンだったわね。
 なんか、ただ乗りさせてもらってばかりで申し訳ないわね。

【田万里】立花さんが東京出張の時は、連絡してくれるって、言ってくれてるらしいわ。

【お蘭】うーん、そのときにお礼言わないとねっ。なんか、タマキは兄貴みたいなヒトがいなかったから、体育系のがっちりした兄さんと知り合えて嬉しかったんでしょうね。

【乱蔵】そーか、奴は女の子のことで悩んでいたけど、男らしいにいさんと知り合って、なんかガッツリした手ごたえみたいなのをゲットしたのかもしれん・・・・。

【お蘭】きっとそーね。あの子はお姉さんたちにモテルけど、年上の男の人たちにもウケがいいところも確かにあるからね。

【田万里】うん・・・・。でも、最初に知り合った、リカちゃんという一歳年上の女の子の話がでないから、なんか気になったりして・・・・。

-タマリは「オンナの勘」・・・でなにか言いたそうであります・・・・。-

【お蘭】まあ、どうでしょうね・・・・。立花さんはリカちゃんのお姉さんの彼氏で、リカちゃんとそのお姉さんは一緒に住んでいるわけだから、ちょっとはリカちゃんがどーしてるって、話が出ても不思議ではないけれど・・・・・。

-さっきから、薄目を閉じて妻と娘の話を聞いていた乱蔵は、なんとなくヒヤッとした表情になりましたね。-

【お蘭】・・・・で、リカちゃんっていうのはどんな感じの子なのかしら・・・・。

【田万里】あっ、それ、タマキがスマホで撮った、リカちゃんとお姉さんと、立花さんが写っている、中洲の屋台の写真があるよ。

-乱蔵とお蘭さんは、「どれどれ・・・。」と、タマリちゃんのスマホの画面を凝視します。-

【乱蔵】おお・・・。リカちゃんは看護師目指している女の子らしくて、和風で「清楚系」だね。
 姉さんは、キツメの美人じゃん。

【お蘭】あらっ。立花さんって、背が高くて渡辺謙みたいなイイオトコねぇ・・・。
 こんな兄さんに連れまわしてもらったんじゃ、環は嬉しかったでしょ・・・・。

【乱蔵】うーん、奴は九州のサムライと、和風清楚美人と知り合ったのかぁ・・・・・。

 -・・・。と、そのとき、ピンポーン・・・・と玄関のチャイムが鳴りました。
 すぐに玄関へ向かうタマリちゃん・・・・。
 ・・・・で、「ち、ちょっと待っててね」という声がして、タマリは2階へ・・・・・-

-リビングに戻ってきたタマリは、ぶったまげたような顔をしています。-

【お蘭】・・・・・。タ、タマリ・・・・。どーしたのぉ・・・・????

【田万里】あ、あ・・・。クルミちゃんが来たんだけどぉ・・・・。そ、それがぁ・・・・・。

-メン玉が思い切りオープンになっているタマリちゃんにビックリの両親ですが、玄関に降りてきたらしいタマキの声にもっと、ビックリしたのであります-

(玄関から聞こえてきたタマキの声)

【環】あっ・・・・。クルミちゃん????うわぁ!!


                                         
   2016.06.12掲載
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