初めての祖母とのドライブで
婆ちゃん孝行する田万里です・・。
★田万里の奮発

 孫のドライブ
 田万里のおばあちゃん孝行・・・・の巻A

-初心者マークつけて、祖母とドライブする田万里ちゃんです・・・・・。-

       前回

   
おトキさんが食べたかったお刺身です  
   
  
 
タマリは天ぷらにしました。  
   
-おタキさんとタマリちゃんが楽しく食事前のお茶をしている間に、お待ちかねのランチ定食が運ばれてきました。さすがは料亭だけに、なかなかオシャレな雰囲気です。-

【おトキ】あらぁ、まあ、美味しそうねぇ。

【田万里】へーっ、私っていつもは
コンビニのイートインでチンしたお弁当ばかり食べているから、こういうお料理って高級すぎる・・・・感じぃ・・・・。

【おトキ】ええっ? そのイーとナンとかってなに?

【田万里】まあまあ、おばあちゃん。そんなこと後でいいから、早くいただきましようね、おほほほ・・・。

-タマリちゃんは、自分がご馳走する食事におののいていてはおばあちゃんが気を遣うと思って、慌てて話題をそらしましたよ。-

【おトキ】そうよねぇ・・・・。では、ありがたくいただきます。

-おトキさんは、手を合わせて「いただきます」・・・と、嬉しそうに箸を取りました。-

【田万里】そうかぁ、ちゃんとした板前さんのお料理って、やっぱりどこか違うのねえ・・・。

【おトキ】あらっ、若いあなたにもわかるかねぇ・・・・。やはり玄人さんの腕前って、一味もふた味も違うのよ・・・・。

 -おトキさんは、料理をゆっくりゆっくり噛み締めるようにいただいております。-

【田万里】あっ、おばあちゃん、面白い。店員さんが今、タイを網ですくっているよぉ。

【おトキ】あらあら、まあ、イキがいい鯛ねぇ・・・。
 なんだか、こっそりと熱海にでも来たような気分になるわ。ほほほ・・・・。
 
「浜膳」さん、とても良かったわぁ。ありがとうね、タマリ。

-ゴキゲンのおばあちゃんを見て、「ちょっと奮発してよかったなあ・・・。」といい気持ちになっていくタマリちゃんであります。-

-食事が終わって、仲居さんが追加で入れてくれたお茶をさらにゆっくり飲んで、楽しい会話を続けていたタマリとおばあちゃんはお会計を済ませて、車に戻りましたよ。-

-走行中の車内で・・・・・。-

【おトキ】今日はとっても美味しかったねぇ・・・・・・。

【田万里】おばあちゃんがこんなに喜んでくれるなんてうれしいわ。

【おトキ】老人ホームの友達の中にね、子供や孫があんまり会いに来てくれなくて、寂しがっている人もいるから、わたしゃ幸せだよ・・・・。

【田万里】
デイサービスなんかは最近どうなの?

【おトキ】そうねぇ。最近は、まあまあかねぇ・・・。わたしゃ、なんだか子供みたいなお遊びみたいなことするのはあまり楽しくないけど、友達になった人もいるから、それはまあ、楽しいこともあるけどね。

【田万里】うーん。中には「デイサービスに行くのがいやなんだけど」って言ってたおばあちゃんがいたそうねぇ。

【おトキ】ああ、91歳のお初さんねぇ。あの人は(デイサービス)行くたびにおしゃべりなおばあちゃんに振り回されて、疲れるから行きたくないみたいなんだけど、いきたくない・・・っていうと、息子が心配するから我慢しているようなのねぇ。

【田万里】そうかぁ。昔の人って、そういうことも我慢しちゃったりするのねぇ。

-タマリちゃんは大正時代や昭和の初めに生まれた人たちの生真面目さにびっくりしていますね。-

【おトキ】それでも、お初さんは息子さんがときどき会いに来てくれるからいい方なんだけどねぇ・・・・。

【田万里】中には家族が来てくれない人もいるのかしら。

【おトキ】そうだねぇ・・・。亡くなりそうになって、身内に電話しても「その人はもう関係ありません」なんて突き放されたかわいそうなおじいちゃんもいたわね。

【田万里】うわっ、それってひどい!!

【おトキ】でもねぇ、
その人はいつもダレにでも威張っていて、いつも「俺は○×商事の人事部長だったんだぁ」なんて見栄ばかり張っていたから、周りの人にもヘルパーさんにもすごく嫌われていたんだよ。

-おトキさんの暮らす老人ホームでもいろんなドラマがあるんだなあ・・・と思うタマリちゃんでした。-

 
続く

   2015.03.16掲載
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