昭和の味を食べたいね!!
★さわやか散歩 三鷹から吉祥寺へ 

-ウワサの「バッテラ」を求めて・・・・・。-

      
  
 
   
  
   
   
   
  
 
  
 
 
  
 
【環】へぇー、三鷹駅って『駅ナカ』に店あるんだねぇ・・・・。

【お蘭】そーねー。なんかキレイよね

-夫の乱蔵にすすめられて、お蘭さんは息子の環を連れて三鷹駅に来ました。今日は環が電車に乗りたい・・・というので、中央線に乗って来ました。-
-今日は休日です。夫の乱蔵は薔薇のお手入れ、タマリちゃんはお祖母ちゃんに会いに行っています。-

【環】ママ、電車っていいね。

【お蘭】あら、そう・・・。このごろ車ばっかりだから、タマキは久しぶりかぁ・・・。

【環】うん!!・・・・・。

-多摩地区に引っ越してきたお蘭さんは、買い物などでつい車を使って買いだめをする習慣になっています。-

【お蘭】そーいえば、タマキは小さい時電車が大好きだったのよねぇ。

【環】うん!!

【お蘭】(まあ、
男の子って「うん」とか「あー」しか言わないけれど、何したいのかはわかりやすくて単純だわ・・・・フフフ・・・・。)

-お蘭さんは、つい最近までタマキが
プラレールに夢中だったことを思い出しました。

【環】ママ、今日はパパが言っていた「バッテラ」とかいうの買うんでしょ・・・。早く買って食べようよ・・・・・。

【お蘭】はいはい・・・・。

-タマキに急かされて、お蘭さんは急ぎ足で三鷹駅南口の商店街に足を進めました。
 タマキがどんどん行ってしまうので、やれやれ・・・という気分ですが、まあ、迷子になる歳でもないので、タマキの後ろ姿を見ながらピタピタと歩いて行きました。-

【お蘭】あらっ? もう見つけたのかしらん?

-お蘭さんは、東急ストアの先で手を振っているタマキを見つつ、グリーンのテントのあるお店に駆け寄ります-

【お蘭】そーよ、そーよ、このお寿司屋さんだわ・・・。
 へーえ、パパが言ってた
『バッテラ』が売っているわねぇ・・・・。

【環】うまそうだなぁ・・・・。

-タマキは、乱蔵オススメの『バッテラ』の他にも穴子寿司やら、鮭寿司やらの大阪鮓の押し寿司が面白いようです。
 お蘭さんは、この「松寿し」(三鷹店)で、目移りしながらも色んな種類のお寿司を買いました-

【お蘭】買えてよかったけど、なんだが呆気なかったわねぇ・・・・・。
(あらっ? タマキどこ行っちゃったの・・・・?)

-お蘭さんがお会計している間に、タマキくんはまたさっさと歩き出してしまったようですねー。-

-すると、さらに南のにあるビルの入口の前で、タマキが「おーい、おーい・・。」と手を振っているじゃありませんか-

【お蘭】もーっ・・・。タマキはパパに似てせっかちなんだからぁ・・・・。

-お蘭さんがプンプンしながら、息子に近づいていくと、タマキくんはそのビルにある「亀蔵」というリサイクルショップに行きたいみたいでした。-

【環】ママ、ここ面白そう・・・・。入っていい?

【お蘭】いいわよ。でも、これ持ってね。

-お蘭さんはお寿司の包まれた袋をタマキくんに持たせると、タマキくんは一気に階段を駆け上がって、店の中に突入して行きました。-

【お蘭】(まったく、タマキはパパに似て
レアなものが好きなんだからァ・・・。)

 1時間後・・・・・・。

-お蘭さんと環くんは、井の頭公園のベンチで、先ほどのお寿司を食べていました。-

【環】このバッテラっておいしいやぁ・・・。もぐもぐもぐ・・・・・・。

【お蘭】はい、お茶・・・・・。そうねぇ・・・。パパが言っていた「なつかしい味」がするわぁ・・・・。この厚いサバの歯ごたえがなんとも言えないわねぇ・・・・。

【環】へぇーつ・・・・。バッテラって
サバなんだぁ・・・・。

【お蘭】そうよぉ。

【環】じゃあ、この上のうすい緑のやつは何?

【お蘭】それは、
コンブよぉ・・・。

【環】なーるほどぉ・・・・。
いいアイデアだね?

【お蘭】ふふふ・・・。そーよねぇ。昔の人って頭いいねぇ。
・・・・・・そういえば、さっきのリサイクルショップどうだったの?

【環】面白かったよ・・・・。楽器・・・・。

【お蘭】あ〜・・・・・。やっぱり吹奏楽部だからねぇ。

【環】新しいのより、古いほうが面白いんだ。

【お蘭】にゃーるほどねぇ・・・・。言えてる世界も多いかぁ・・・・。

【環】ママ・・・・。あの神社も古いの?

-・・・・と赤い建物に指さすタマキくん-

【お蘭】・・・・あっ・・・。そーいう社会科っぽいのは、パパが得意だけどぉ・・・。
古いでしょうねぇ・・・・。あーっ・・・。弁天なんとかって・・・・。

-お蘭さんは
ウンチクに詳しい旦那がいないので、ちょいと焦りました。-

【お蘭】(ありゃりゃ・・・・。歴史とかってよくわかんないしぃ。)
 そうだっ!!

【環】・・・・うわっ!! な、なにぃ?

【お蘭】ふ、ふるいってぇ・・・。
ゾウさん・・・・。
この公園のゾウさん、あっー・・・。
ハナコだっけなぁ・・・。
すごく長生きしているのよぉ・・・・。(ふふっ・・・。いいこと思い出したわ)

【環】えっ、ほんと!! みたい、見たい・・・・。

【お蘭】(ホッ・・・・。歴史突っ込まれなくてすむわぁ。)

【環】じゃあ、早く行こうよぉ・・・。

-そそくさと、食べ物の片づけをするタマキくんです。-

【お蘭】・・・はい、はい、そうねぇー。
-お蘭さんは内心シメシメ・・・・と思いつつ、手早くお昼の片付けをすると背伸びしながら立ち上がりました-

【お蘭】タマキ・・・。「井の頭自然文化園」は道路の向こうよぉ・・・・。

【環】早く早くーっ・・・・。

【お蘭】ホホホ・・・・。単純ねぇ君はぁ・・・・。
-タマキのあとを追いながら、久しぶりに動物園を楽しんじゃおう・・・と思うお蘭さんでありました。-


   
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