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Eカルロス・ゴーンというアウトな人 -超大物の逮捕劇から・・・-


 日産、三菱自動車、ルノーの統帥のカルロス・ゴーンさんの逮捕劇で、世界が激震しております。
 まあ、あの報酬のでかさといったら、庶民のわしらからすれば天文学的でありますが、彼の功罪は歴史がのちのち語ってくれるとして、多摩地区の住民とすれば、広大な武蔵村山工場を閉鎖して、「コストカット」された側の感覚がどうしてもでかい・・・・。

 青梅の東芝工場の閉鎖もそうなんですが、資本主義が巨大になるとごく一部の経営陣に巨額の富が集中して、会社じたいがでかくなっても、現場で地道に働く人たちには恩恵どころか、生活すらがカットされていくなかでナニモノカの正義によって人生が翻弄されてしまうのだ・・・という現実でしょうね。

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 元日産社員とか、元東芝社員というのは、多摩地区にはうなるほどいらっしゃいまして、筆者の周辺でも本当に「コストカット」されたあの時代の辛さを語る人は少なくありません。

 何が社会の発展で、何が世の中の進歩であるのかは、平成最後の年末、ひしひしと考えてしまいます。年功序列時代の弊害は昭和から引きずっているのでしようが、本当の意味での競争社会とか、実力主義・・・なんていう時代もやってきてない感じがしますし、非正規の仕事でボーナスなし、退職金なし、最低賃金改正以外の昇給なし、退職金なし、厚生年金や失業保険もなし・・・なんていう職場があふれ、労災すら適用されようとすると大騒ぎされ、ブラックでなければ企業じゃない・・・みたいな時代が進行してしまったのでありました。そして、利益はゴーンさんのように富めるものをさらに豊かにし、分配されることなく噴水みたいにくみ上げられて、破裂するまで搾取されてしまう・・・というのが現実みたいでした。

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 こういう価値観は、どうも小泉政権あたりから脈々と進行したようであります。

 
自由主義と社会主義の対決・・・なんていう時代からは隔世があります。
 逆に、チャップリンの「モダンタイムス」の時代に、経営者の感覚は先祖がえりして、むしろもっと昔の専制君主下の「奴隷制度」すら見えてくるような恐ろしさも想像してしまう・・・・。


 お金というのは、一定の額があればそれ以上望まなければいいのに・・・なんて、お人よしタイプの庶民は考えがちです。

 でも、金というのは際限なく得られれば、さらに欲しくなり、抱えてしまえばさらに抱えたくなる魔力があるようですね。庶民の出だから、偉くなったら公平で弱者に優しい支配者になるだろう・・・と期待すると殆どは裏切られる・・・というのが、歴史からの証明です。零細の会社員でさえ主任になったとたん威張りだして、後輩や、パートや派遣をいじめだすような輩がいます。自治会長になったとたんふんずりかえる親父もみなさん知っているでしょう。太閤秀吉の晩年はとても欲深く醜い所業で、史上最悪のボケ老人でした。

 私たちの生活のリモコンがどんな人に握られているか、ちゃんと考えないと何も安心できないですね。
 

                                            2018.11.27掲載
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