環の彼女です!!
★環の彼女@

-長男の環くんが家に彼女を連れてきました・・・・・。-

      


 
   
  
 
   
  
   
 
   
-高校生活を十分楽しんでいる、多麻家の長男タマキくんですが、今日は付き合っている彼女が家に遊びに来るようで、珍しく部屋の片付けなんかしていましたね。-

【お蘭】タマキの彼女って、けっこう派手タイプだって聞いているけど・・・。

-
愛息子の付き合っている女の子が気になるママのお蘭さんであります・・・。-

【タマリ】まあ、ママも落ち着きないわねぇ・・・。私は写メでしか見たことないけど、カワイイタイプだったわよ。

-2階から、バタバタと環くんが降りてきましたね・・・。どうも、彼女がそろそろ家に到着するようであります。-

-環が玄関の扉を開けると、こうそこには環の彼女が立って待っていたようですよ・・・。-

【環】やあ、・・・。どうぞ、入ってよ・・・・。

-ちょっと作り笑いをこしらえたお蘭さん、そそくさと玄関に「彼女」をお出迎えに行きました・・・・。-

【お蘭】まあ、いらっしゃい・・・。環の母ですっ・・・。

-姉のタマリちゃんは、居間のソファーで、お蘭さんがあれこれ話し出しているのをクスクス笑いながら、耳をダンボにして聞いております・・・。-

【環】まあ、とにかくあがってよ。あんまり広くないけど・・・。

-「おじゃましまーす」・・・というアニメ声が聞こえたかと思うと、3人がタマリちゃんのいる居間に入ってきましたね・・・・。-

【お蘭】ああ、クルミちゃん、これが姉さんのタマリですよ・・・。

【環】姉ちゃんだ・・・。なんだか今日はバイト休みみたいだね

【クルミ】あっ・・・・・・。こんにちは。おじゃまいたします・・・。

【タマリ】
こんにちは。どうぞごゆっくりしてね・・・。

-タマリは席を立つと、台所へ行き母が用意していた茶菓子などを取りに行きます-
 
【お蘭】まあ、クルミちゃんって、可愛いわねえ・・・。AKBだったら誰に似ているのかしら・・・・ほほほ。

【環】僕の彼女だもんね。カワイイに決まっているじゃん・・・。

-タマリちゃんは、茶菓子を運んで熱いレモンティーを勧めながら、困った顔をしている弟の環の顔を見て、クスクス笑いそうになりましたね・・・・・・。-

【お蘭】クルミちゃんって××なの・・・・・。はー・・・・。それで、ご両親は△△でぇ・・・・・・。おーっ・・・・。それじゃあ、おうちの周りは□□で、・・・・。ああ・・・。飼っている猫がシャムネコで※※※・・・・・。ほーほー・・・・・。で・・・・・お肌が綺麗なのは、お母さんが使っているDHCの◎◎と▼▼をときどき勝手に使ったりして・・・・・。ははは・・・・。

【環】
芸能人のインタビューじゃないんだから、そろそろ勘弁してくれないの?

【クルミ】ははは・・・。楽しいお母さん・・・。いいのよ。
なんでもお聞きください・・・・。

-・・・と、クルミちゃんが言いつつも、母親の質問攻めがウルサイのは明白なので、タマリちゃんがそれとなく目配せして、お蘭さんの暴走をストップされていますね・・・・-

-・・・・ひととおり、お話が済んだところで、環くんはクルミちゃんの手をとって、2階の部屋に移動していきましたよ・・・・。-

【タマリ】・・・・あらっ、これプリン・・・。付いていかないのぉ・・・・。

-二人の後を尻尾振りながら付いていこうとする愛犬のプリンちゃんを引き止めたタマリは、ワンコをしっかり抱いて頭を撫でながら、ママのお蘭さんに。ちょっと突っかかったような言い方をします。-

【タマリ】
・・・もうーっ・・・。ママったらぁ・・・。あれこれ聞きすぎでいけないわよぉ・・・。

-
お蘭さんも、「どーしてこーなのかしらぁ。」という表情で、ちょっと顔が赤くなっていますねぇ・・・・。-

【お蘭】まあ、わたしとしたことがぁ・・・。クルミちゃんがカワイイから興奮しちゃったみたい・・・・。もう・・嫌だわぁ・・・・。

-しばらくすると、環の部屋からエレキギターの音が流れてきましたね・・・。-

【お蘭】まあ、環ったら、あんなロマンチックな曲なんか弾いちゃって・・・。

【タマリ】ははは・・・。息子にやきもち焼いてもしょうがないのにぃ・・・。

-2時間ほどのクルミちゃんの滞在でしたが、部屋から楽しそうな笑い声が聞こえたり、逆に、妙に静まり返ったりするたびに、お蘭さんがいちいちドキッ・・・としている様子がありありで、タマリちゃんはママのそわそわした様子が可笑しくて、最初は面白がっていましたが、ちょっと心配になったりもしていますね・・・・。-

【お蘭】ああ・・・、若いっていいわね。・・・環も大きくなったのね・・・・。

【タマリ】もう、刺激されすぎっ・・・。高校生なんだから、彼女くらいいたっていいじゃないのよぉ・・・・。

【お蘭】あっ、うん。そーだけどね。
なんだか、不思議な気分なんだわぁ・・・・。

-環くんたちは、夕暮れ前になると外に出て行きましたよ。クルミちゃんはニコニコ顔で、彼氏の母と姉にちゃんと挨拶していきましたね。-

【タマリ】クルミちゃんいい子じゃないのぉ。

【お蘭】うん、・・・。でもちょっと派手なムードがあるから心配だわあ・・・。

【タマリ】ははは・・・。ナニ言ってんだかぁ・・・。ママこそ、派手系のアラフォーなのにぃ・・・。しかも、「肉食系」じゃないのぉ・・・。

【お蘭】うーん・・・。そうでしたわねぇ・・・・。あの子も肉食系かもぉ・・・・。

-タマリちゃんは、母親の自己矛盾が可笑しくてケラケラ大笑いであります。-

-秋の夕暮れはつるべ落としの如し・・・。母とムスメで、息子の彼女談義をしていると、リビングが暗くなっていきますね。-

【お蘭】まあ、環ったら、クルミちゃんを送っていくって、ずいぶん遅いじゃないのぉ・・・・・。
【タマリ】いいじゃないの。まだ夕食前の時刻だよ。
 環はクルミちゃんの家まで送っているんじゃないの?

 
続く


   2014.10.26掲載
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