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-高校進学が決まった環くん。都立高校の入学祝いに母子で立川駅周辺で、希望の品物を買いに出かけています。-
【お蘭】すっかり暖かくなって、立川駅はやっぱり人が多いわぁ・・・。
-ビッグカメラの前で、環くんがケイタイ電話に興味津々であります・・・。-
【お蘭】まあ、ケイタイは校則をちゃんと見てから決めないと違反すると大変だから、もうちょっと待ってね。
【環】うん・・・。入学してから様子みる・・・・。
【お蘭】とにかく、今日は君が欲しい楽器を買うのでしょ??
【環】そーなんだよぉ・・・。今度の高校は吹奏楽部ないから、軽音やろうと思ってるんだ。
-音楽好きの環くんですが、新しいジャンルに転身するようですね・・・。-
【お蘭】なんだか、パパがたまに聞いている昔のロックがアナタ気に入ってたわね・・・。
【環】1970年代の音楽って、ポップスでもロックでもジーンと来るからいいなと思うんだね・・・。
【お蘭】へぇ〜っ・・・。どんなグループがいいの???
【環】デーィプパープルとクイーンが好きだね。
ギターがめちゃくちゃカッコいいじゃん・・・・。
【お蘭】私は「スモーク・オン・ザ・ウォーター」と「ホテルカリフォルニア」が好きね・・・・。
【環】あはは〜・・・。後のやつはイーグルスだよ。クイーンは別のグループだって。
-おやじの影響が強いのは、恐らくドライブのときにカーステレオで昔のロックを乱蔵がいつも流しているからだとお蘭さんは思いました・・・・。-
【お蘭】私たちの頃は、女の子はユニットつくってボーカル・グループやったり、男の子たちはフォークやロックのグループ作って盛んに演奏していたものだわ。
【環】オヤジさんの友達にすご腕のオジサンがいて、リッチー・ブラックモアに負けない速弾きやっちゃってるのビックリして見たことあるよ。すげーって思ったよ。
【お蘭】40代から60代のおじさんたちって、素人と思えないギタリストやべーシストがたくさんいるから、今でも元気に演奏している人たちってたくさんいるでしょうね。
【環】夏になると日本に来るベンチャーズなんて、もうお爺さんだよね。
-ベンチャーズときいて、お蘭さんはあのテケテケテケ・・・・を思い出しました。-
【お蘭】最近は日本にハマっちゃう外人さんって多いけど、ベンチャーズってその走りみたいな存在だわぁ・・・。
【環】まあ、僕もテケテケテケからやりたいから、エレキギターほしいな・・・。
【お蘭】へーっ、エレキだったの? 私はすっかりアコースティクギターを欲しいのかと思っていたわぁ・・・・。
-楽器店を数軒巡り、お蘭さんの提示する予算ギリギリで新しいエレキギターを購入した環くんは満面の笑みを浮かべております。-
【お蘭】吹奏楽の時もそうだったけど、練習が騒音の関係で難しいことがあるわね・・・。
【環】その点エレキはヘッドホンつけて練習できるからやりやすいね。
【お蘭】あっ、そーよね。アコーステックよりやりやすいかもしんないわぁ。
-環くんが腹減ったというので、お蘭さんもお腹がクークーいっているのを自覚しました・・・・。-
【環】僕は、ラーメンが食べたい。
【お蘭】アンタは安上がりでいいわ。ギター代と別に、食事代もおばあちゃんがどうぞって渡してくれてたけど、そんなんでいいの???
【環】なんだか、ロックな気分なので、ラーメン食いたいんだぁ・・・。
【お蘭】うーん・・・。よくわかんないけど、そんなものか???
-と、母子は近くのラーメン店でラーメンと餃子を注文しました・・。-
【お蘭】そういえば、ジャズの坂田明さんが、ジャズと立ち食いそばムードが合うんだって言ってたの思い出したわ・・・。
【環】へーっ・・・・。そうだね・・。モグモグモグ・・・・・。サカタアキラ・・・・。
-ラーメンを速攻で食べているタマキは、スープを飲みながらサカタアキラについて思い出しているようです。-
【お蘭】まあ、まあ、あせらないでもラーメン逃げないわよ、オホホホ・・・・。
【環】あーっ、思いでした。あのミジンコが好きなオジサンだぁ。
【お蘭】ふーぁふーぁふぁ・・・。熱いスープ・・・。
あっ、そうそう、あのミジンコ好きのオジサンよ。ズルズル・・・・。
-2人前の餃子のほとんどをさっさと食べながら、タマキの脳裏は早くも練習したい曲が駆け巡っているようであります。-
-二人が帰宅して、食後の夫婦の会話です。-
【乱蔵】いやあ、いいエレキギターだねぇ?
【お蘭】私はよくわかんなかったけど、お義母さんがだいぶお祝いを出してくれたので、まあまあいいモノ買えたようよ。
【乱蔵】これでアイツもさらに女の子にモテるかもしれんな・・・・。
【お蘭】あら、タマキって彼女らしい子いるみたいよ・・・。
【乱蔵】あらら・・・。そりゃ知らんかったぁ。
【お蘭】ほら、バレンタインデーのときに自宅にチョコ持ってきてくれた子よ。
【乱蔵】そうか、若い子は義理チョコではなく、本チョコに情熱だったんだな。
【お蘭】年下のカワイイ女の子よね。吹奏楽部の後輩らしいわぁ・・・。
【乱蔵】へーっへーっ・・。息子の彼女って思うだけでカワイイと思っちゃうなぁ。
【お蘭】父親ってそうなのねぇ。母親ってちょっと嫉妬もあるけど・・・・。
-ソファーで夫婦はイチャイチャしながら、息子の新しき春を自分たちの青春のように歓ぶお二人でありましたぞ・・・。-
【お蘭】あら・・。タマキの部屋から音が聴こえるわぁ・・・。
【乱蔵】ありゃりゃ・・・・。あれはベンチャーズのダイアモンド・ヘッドを練習してるぞ。
-微妙な音ではありますが、タマキくんの部屋からテケテケテケ・・・・を何度も繰り返している音が漏れております・・・。-
【乱蔵】子供の頃に刷り込んだ音はインパクトあるようだなぁ。
【お蘭】私も、もっと摺りこんでぇ・・・。
【乱蔵】ありゃりゃ・・・・。断る理由なし・・・・。君は年齢無制限でアルカ・・・・。
-多麻家の夜が静かに更けていきます-
【プリン】ウォンッ!!ウォンッ!!・・・・・・クォーン・・・・ZZZZZ。
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