初めてのアルバイト経験で
困惑している田万里です・・。
★田万里のバイト

 家族の励まし
 田万里のバイト・・・・の巻

-アルバイトにチャレンジしている田万里ちゃんです・・・・・。-

      


   
  
 
   
  
   
   
  
-休日の多麻家ですが、長女の田万里ちゃんがなんだかお疲れのようです。-

 -田万里ちゃんはリビングのソファーで、なんとなくボーとしていますね。-

【プリン】クオン・・・ウォン、ウォン・・・。

-
チワワのプリンちゃんが元気のない田万里ちゃんに激励している様子ですよ・・・。-

【お蘭】タマリはバイト上手く行ってるの???・・・。

【田万里】
うーん・・・。でも、なんだか迷惑かけてるみたいで・・・。
たぶん、私って動作が遅いのかもしれない・・・・。

【お蘭】ほほほ・・・・。そんなのいずれ慣れるわよ・・・。

【田万里】そうかなぁ・・。周りの人たちがテキパキしていて、ときどきついていけなくなるから・・。

【お蘭】
まあ、その人達だって、はじめからスイスイ仕事できてたわけじゃないのよ。

【田万里】牛丼出すのに、あと2秒おそくても問題無いと思うけど、なんであんなに慌てなくちゃいけないんだろう・・・??

【お蘭】テキパキ早くて当たり前の世界だから、のんびりしているように見られると周りがイライラするものよ・・。

【田万里】中に、意地悪する人もいる。前に私をイジメた人とよく似ている・・・・。


-登校拒否の経験のある田万里ちゃんは、昔の苦い思いを思い出したようですね-

【お蘭】世の中に意地悪な人っているけどね。仕事の場合は目的が同じだから、とにかく頑張って、新人は齢とか関係なく皆さんに従って動くしかないのよね。・・・・。


【田万里】ふーん・・。そんなものかぁ。思ったより大変・・・。

【お蘭】確かに世の中のスピードは早いけれど、とても難しいことやっているわけじゃないから、頑張るっ!!・・って気合いれて働くしかないのよね。

 いろんな人と接触できるのは、アナタにもいいことなんだしね・・。

【田万里】そうかなぁ・・。ツライことっていいことなの??・・・。
私、わかんないわぁ・・・。

-フリースクールから、無事に短大に進学できた田万里ちゃんですが、牛丼屋さんのアルバイトで、大忙しを経験して戸惑っているようですね・・・。-

【お蘭】まあ、タマリはクラブ活動もやっていなかったし、体もあんまし鍛えてなかったからクラクラするんでしょうが、職場でもバタバタやっているうちに楽しくなって友達ができたりするものなのよ・・・。

【田万里】・・・うーん・・・。アルバイトでも職場っていうんだ。・・・。

【お蘭】あたりまえじゃない。稼がしてもらえるところは職場よ・・。

【田万里】バイトって、短い時間だから職場なんて風に考えてなかった。

-社会経験のないタマリちゃんには、今が正念場・・・という感じでしょうか。-

【お蘭】まあ、これはタマリのトレーニングね。

【田万里】そんなこと学校でならったことないし・・・。

【お蘭】だから、今の牛丼屋さんで教えてもらっているんじゃん・・・。

【田万里】ママって、いつも楽天的よねっ・・・。

【お蘭】なんでも、悪い方へ考えると悪いことになるし、いいことイメージしていればいいことになる・・・って、これホントだもん・・・。

-田万里ちゃんはちょっと唖然とママの表情をみています・・・。-

【お蘭】仕事って、お金もらうから、まあある種の演技をしているのです・・・。

【田万里】どんな演技???・・。

【お蘭】君は、今「牛丼屋さんの店員さん」という演技をしているのよ。

【田万里】へーっ・・・。まるで女優さんみたい・・・。

【お蘭】ふむふむ・・・・。イメージついてきたわね。
だから、多麻家の娘田万里ちゃんでなく、牛丼屋さんで頑張って仕事している女の子を演じないと、お客さんにも仕事仲間にも迷惑かかるのよ。

【田万里】なんとなくわかってきた。

【お蘭】仕事で話す電話と友達とケイタイでしゃべる電話じゃあ話し方が違うでしょ。
 そのまんまの自分でいいのって、家族とか、仲の良い友達くらいだと思っていないと相手もどうしていいかわからなくなるものよ。

【田万里】うん、役者さんになるってイメージで頑張る・・・・。

-田万里ちゃんは笑顔になって、部屋へ戻って着替えるとそそくさとアルバイトへ出かけて行きました・・・・。-

-しばらくして、庭で薔薇の手入れをしていた乱蔵が戻ってきました。-

【乱蔵】タマリは、バイト先でどうなんだろうね・・・。

【お蘭】あの子、テキパキしているタイプじゃないから、ときどき周囲に煽られて萎縮しちゃうことがあるようね。

【乱蔵】うーん・・・。それは想定内のことではあったがぁ・・。??

【お蘭】あの子が自分で乗り越えなきゃいけないハードルでもあるんだわ。

【乱蔵】娘だと、つい甘くしちゃうから、厳しいことは言いにくいしなぁ・・。

【お蘭】まあ、そこは女どうしで、バシッというところは私が言いますよ。

【乱蔵】まあ、お蘭に任せるよ・・・。パパはそっと見守るかぁ・・・。

-乱蔵はお蘭さんがウインクしたので、きっと何かいいアドバイスしてくれたのだろう・・・とちょっとだけホッとした様子ですね。-
   2014.05.05掲載
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