大人のおもちゃ箱
<其の3>
レアな趣味人 : ノブ君

昭和・平成時代に過ごした数々の日々。
ワタクシ「ノブ君」がこだわりぬいた逸品や
「懐かしい話題」を提供していきます・・・。

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【2013.09.07掲載】
  
 その車の名はスカイライン。

 言わずと知れた、日産自動車を代表する名車中の名車である。
 スカイラインを生み、育て続けた桜井真一郎氏によるデザインの両サイドに走るサーフラインが何とも優雅で美しい。
 その反面、非常に精悍な雰囲気を醸し出し男臭い格好良さを感じる私の一番好きな車だ。

 そしてまた日本を代表するイラストレーター鈴木英人氏のこの見事な作品。
 いつ見ても、どれほど見ても飽きのこない本当に素晴らしいイラスト。
 色といい、線といい、このタッチといい、まるで風の音や街の匂いまで感じられる鈴木氏の作品にハマリ続けている。

 

 「EIJIN SUZUKI」といえば音楽好きなら知っている、あの有名なFM情報誌「FM STATION」の表紙を1981年から1988年まで飾り続け広く人気を集めた。
 車やヨット、海岸といったモチーフが多く使われ「あっ、見たことある!」と思われる方もいらっしゃることだろう。

 この車は3代目スカイライン(C10型 通称:ハコスカ)。
 今から約40年前に我が家にやってきた2代目の「自家用車」である。

 この2代目の自家用車は「新車」だった。
 生まれて初めて「新車の匂い」というものを嗅いだ。
 子供心にも何とも言えぬ幸福感が漂う匂いだったのを覚えている。

 親父もおふくろも妹も家族全員がこの車をものすごく気に入っていた。
 特におふくろのサーフラインの気に入り様は半端ではなかった。

 そんなおふくろも、もう二度と大好きだった車のことも、家族全員で出かけた休みの日のことも、親父のことさえも思い出せない日が来るのかも知れない。

 「忘れる」ことは仕方のないことかも知れないけど、「忘れられる」ことは少し哀しい。。。

 あの美しく精悍なサーフラインはいつの頃のスカイラインからなくなってしまったのだろう。
 
 今ではその面影さえもみつけることはできない。



  
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