やはり若者の旅は何かが起こる。
★春のふれあい

 春の決意
 環の旅の成果B

-環くんが旅から帰ってきて・・・・・。-

      前回

   
タマキはちょっと、淋しくなった・・・。  
   
どこでも、そういう人ばかり・・・・。
 
 
九州弁の女の子に癒されたりして・・・。
 
-環くんが深夜バスで九州に向かっていくエピソードを、うんうん・・・とうなづきながら聞いている姉のタマリちゃんであります。-

【田万里】ふーん・・・・。西へ西へと向かう気分ってどうなんだろうなぁ・・・・・。
 私だって、東京からほとんど離れたことないから、テレビで見る世界・・・・。

【環】うん、大阪ってある意味、東京と対比されて、別の「関西」・・・・って世界だったから、生で見て面白かったんだけど、そこからさらに西へ向かうって、だんだん「旅」という感じがふくらんだ・・・っーかぁ・・・・・。

【田万里】あー、そうよね・・・。地元の東京からどんどん離れていく感じなんでしょうね。

 -そうだね・・・と、一言こたえた環くんが、なぜか黙ってしまいました・・・・。-

【田万里】そのとき、環は独りきり・・・・だったから・・・・。

【環】そーなんだぁ・・・・。正直、自分は自分で独りっきりでなんとかしていくしかないんだぁ・・・って、ちょっとココロ細くなったりして。

【田万里】まあ、パパがアンタにさせたかったのは、その感覚かもしれないね。

【環】うん。ホテルとか、ユースホステルとかっていうちゃんとしたところに泊まってないから、バスの中では爆睡してたけど、なんだか不思議な夢みたりしていた。

【田万里】そうかぁ・・・・。私だったら、スマホの画面ばかりいじってしまいそうだわぁ・・・・。

【環】なんかさあ、西武線でも、中央線でも、みんなスマホいじっている人ばかりでしょ・・・。
 それって、天気とか交通調べるのに便利だけど、どこでもそんなことばかりやっている人たちばかりだから、俺はなんか調べる時以外はあまりスマホいじんないようにしていた。

【田万里】へーっ・・・。なんか一枚皮がむけたような感じぃ・・・・・。

【環】うーん。実際、大阪でも九州でも、それはそういうスマホ見てばかり人間って多いけど、外の景色とか、周りの人の様子がいつもと違うから、そういう風景を見ているのが忙しかったような気がして・・・・。

【田万里】そーよね。スマホなんて、家でも外でもできるから、わざわざ旅先でスマホばっかり見てても意味ないものね。

【環】でも、ラッキーなんだか、隣に座っていた九州の女の子が話しかけてくれて、福岡ついたらどーしよう・・・・と思っていたことに役立ったよ。

【田万里】ああ、環は人懐こいムードあるから、話しかけやすかったのかもね。

【環】でもさぁ・・・・・、うわさに聞いていたけど、「九州弁」って、なんかいいなぁ・・・・。

【田万里】へぇ・・・・・。それって、ジャニーズのお兄さんたちが「九州弁最高!!」って、メロメロになっていた番組みたことあるけど、東京の言葉と、どう違うの????

【環】うーん・・・・。なんか、ぞくぞくして、可愛らしい・・・・・。

【田万里】関東のオトコが西の女の人の話し方やしぐさに弱いって、あんたもそーなんだぁ????

【環】なんか、やさしい・・・っていうか、「・・・・で、よかねぇ・・・・」なんて、言われちゃうと、うれしくなったりでぇ・・・・・。なんか、気持ちよかとねっ・・・。

【田万里】へーっ・・・・。アンタ、上手にくすぐられちゃったみたいだわぁ・・・・。

-環は思い出して嬉しそうにしていますね・・・・。-

【環】でも、その子、大阪の親戚から実家に帰るってことで、俺が九州の何々に興味があって・・・なんて話していたら、いろいろ親切に教えてくれたんだよ。なんか、優しいんだよね。

【田万里】へーっ、環は女の子にモテルから、いろいろお得なのね・・・・。

【環】でも、2日以上、お店の人以外と声かわさなかったから、いろいろ話できるのって、いいもんだと思ったね・・・・・。

【田万里】そりゃそうよね。ネットカフェでいろんな人と話すってことにはならないからね。

【環】うん。旅・・・って新鮮・・・・って気分になってきたみたいだったね。

【田万里】いいわね・・・、やっと旅らしくなってきたかぁ・・・・。

 -環が嬉しそうに、福岡に到着してからの話を始めます・・・。-


                                           
続く
   2016.05.10掲載
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