若者の旅は何かが起こる。 |
★春のふれあい 春の決意 環の旅の成果A -環くんが旅から帰ってきて・・・・・。- 前回 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||
|
-環くんがひとり旅から帰ってきてから、ちゃんと報告がなかったことにがっかりしている父の乱蔵と母のお蘭さんです。 心配した姉の田万里ちゃんがこっそり弟の部屋を訪ねていますよ。- 【田万里】ねえ、タマキがあんまりにも旅の話しないから、お父さんたち気になって気になって可哀相なんだけど・・・・・。 【環】うん、いいたくないわけじゃないんだけど、先読みするみたいにせっついて聞かれたもんだから、俺なりの感想・・・ってゆーか、あのときに感じた「何か」がカンタンにぶっ壊されるみたいな気分になっちゃってさぁ・・・・。 【田万里】うーん、そうよね・・・。私もバイト先のチーフに、なんだか問答無用みたいな対応されると、やる気とか頑張りがくじけることもあるわ。 -うん・・・とうなずく環くんですが、表情はイマイチさえないですね。- 【田万里】まあ、お父さんが心配して、気になって仕方ないのもわかってあげてよ・・・・。 【環】そーだよなぁ・・・・。オヤジのせっかちは今にはじまったことではないし・・・。 【田万里】まあ、オトコ同士いろいろ感覚の違いもあるだろうけど、言いにくかったら私が代わりに説明しておくから、ざっくり旅の概要を話してくれない????? 【環】うん、それはいいよ。別になにを隠すつもりもないんだし。 【田万里】じゃあ、どんなコースで旅したの??? 【環】まず、旅費は5万だけど、なるべくそれは使わないように・・・ってなんとなく思って、自分の貯めたこづかいと、前に婆ちゃんからもらった2万円でなんとかしようと考えた。 【田万里】パパのくれた金を使わないようになんて、なんか「オトコの意地」って感じね。 【環】うーん。なんとなく、「言って来い」といわれたことに嬉しさもあったけど、押し付けみたいな感じもしちゃってさぁ・・・・。 【田万里】パパは会社の管理職だから、業務命令みたいな空気だすことあるからね。 【環】俺って、ミュージシャン志向みたいなところあるから、世間で言われている会社の縦社会みたいなムードってどうも嫌いらしいや。 【田万里】まあ、わかるけど、結局どこへ行こうとしたの? 【環】電車もいいけど、深夜バスっていうのがある・・・・と聞いていたから、とりあえず行ったことのない大阪へ行って見たよ。 【田万里】あっ、わかったぁ・・・。アンタ、「たこ焼き」が食べたかったんでしょう??? 【環】へへへっ・・・・。その通り。あれ美味かったなぁ・・・・・。 屋台で大阪弁のノリ聞いてて、軽くてなんか人情味があって面白かった。 【田万里】大阪ってどんな感じだったぁ???? 【環】テレビの吉本芸人のイメージだったけど、普通のおばちゃんたちのノリが面白くてね。 【田万里】へーっ・・・・。 -環は思い出してクスクス笑っていますね・・・・。- 【環】スピード違反で捕まった原チャリのオバちゃんが、警官に反則金負けさせようと必死になっているのを見て、笑ってしまったよぉ。 【田万里】へーっ、罰金まで値切っちゃおうとするんだぁ・・・・。 【環】オチが最高だったぁ・・・・・。 【田万里】そのオバちゃんなんて言ったの??? 【環】ほなしょうがないわぁ・・・・。払ったる。でも、アンタ、イイオトコなんだから、そんな怖い顔ばかりしてたら彼女に嫌われまっせ・・・--だってぇ・・・・。 【田万里】ははは・・・、そらおもろいわぁ・・・・。 -環が関西の空気に触れた話で盛り上がる姉弟であります・・・。。- -大阪の滞在話で盛り上がって後・・・・・・。- 【田万里】・・・・。で、どうして次は九州へ行こうと思ったのぉ・・・???? 【環】大阪のネットカフェでうとうとしていて、なんか夢見ながらステージのイメージが出てきたんだよね。 【田万里】旅に出て、楽器持ってなかったから、手が淋しくなったのかな。 【環】そーかも・・・。部屋にあったパソコンでネットサーフィンしていたら、九州の福岡って、ミュージシャンの宝庫だって記事読んで、こりゃすげー土地だって知ったんだ。 【田万里】そーよね。福岡って、ミュージシャンとか芸能人輩出の宝庫だもんねえ・・・。 【環】こりゃ行くっきゃないって、ネットカフェでたらギンギンの看板の金券ショップで福岡行きの激安チケットがあったから、それでまたバスに飛び乗ったんだぁ・・・。 【田万里】なるほどぉ。でも、その前に、大阪ではたこ焼きの他になに食べたの??? 【環】うわさに聞いていた、「うどん」を立ち食いで2杯食べたよ。 -まあ、大喰らいのタマキくんには大阪のウドン2杯は美味かったでしょうねぇ。- 【田万里】ははは・・・。いいわねぇ・・・。 ・・・で、深夜バスでまた旅が再開になったわけだぁ・・・・。 -初めてのひとり旅は、ちょとした男の意地と、素朴な好奇心で進行したようであります・・・・・・・。- 続く |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||
2016.04.27掲載 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
Copyright 2012 Tama Ranzou all rights reserved. |