タマキくんの新しいライフ・・・。
★家族の戸惑い

 父と息子の女難D


 -タマキの旅立ち前・・・・・。-

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 希望の春でございます・・・。。  
   
 
 
   
 
-環の高校の卒業式を終えて、リビングでつくろぐ乱蔵ファミリーです。-

-環は友人と外出で不在なので、父の乱蔵と母のお蘭さん、そして、姉の田万里ちゃんが環の話題で花を咲かせておりますね。-

【乱蔵】うーん・・・・。なんかため息・・・だなぁ・・・・。

【お蘭】そうねー。大学進学に成功したのはいいけれど、まさか九州の大学に行ってしまうなんて・・・・。

-息子が地方大学に進学することになって、心配ばかりの乱蔵夫妻です。-

【田万里】なんか、パパが環に「可愛い子には旅させろ・・・・。」なんて、やったのがキッカケだったのは、間違いないわね。

【乱蔵】そーなんだけど、あんなにテキメンに影響しちゃう・・・とは考えてもみなかったんだがなぁ・・・・。九州・・なんて、遠すぎるしぃ・・・・。

【お蘭】そーよね。せっかく東京に住んでいるのに、長男が地方へ行ってしまう理由がわからないわぁ・・・・。

【田万里】でも、家を離れることを体験してからの環は、なんかたくましくなった感じもするから、ふつうのお坊ちゃんでいるよりいいこともあるかもね。

【乱蔵】まあ、ただの坊ちゃんも社会出てから困るけど、いろんな経験しすぎた奴も人生苦難だらけになるのも知ってるからなあ・・・・。

【お蘭】まあ、そこが問題よね。いちおう名門大学だから、それは立派なんだけど、いろんな体験しすぎで、アナタの友達みたいなへんな奴になっても困るわぁ。

【乱蔵】ああ、あの女難オトコのことね。環は俺の息子だから、あんな風にはならないよ。だいたい、仕事の選び方をしっかりさせればいいんだし、○○工学では、九州テクノ大学は評判いいから、奴も実利をとったと考えているよ。

-乱蔵は卒業後の息子の将来に、おおいに期待しているようですね。-

【田万里】なんか、九州で知り合った立花さんの男気に随分影響されたようだけれど・・・・。

【お蘭】確かに、立花さんの男らしさは素敵よねぇ・・・。どこの会社でも、あんな感じのやる気満々の人は評価高いと思うわ。それにカッコイイでしょ?

【乱蔵】部屋借りたり、いろいろ出費はあるけれど、これからは男も独り暮らしくらいできないと、タイヘンな世の中だろうから、それはそれでいいと思うね。

-独り暮らしの経験のない乱蔵は、どこかで独り暮らし・・・に憧れていたのかもしれないですね。-

【お蘭】あなたみたいに順調に生活を守れる人でいられればいいけれど、世の中何がおこるかわからないから、やっぱり経験を積む事は大切なのかしら・・・。

【田万里】わたしなんか、ひきこもりしていたから、すっごく世間が狭くて・・・・。バイトで、いろんな人といろんな体験できるけど、よく考えてみると、半径2kmくらいで生活しているんだなあ・・・って思ったりする。食材のお魚は、遠い外国からきているのに、わたしは近所を行ったり来たりしているだけ・・・って感じね。

-地元を環が離れることに、家族は心配・・・しきり、であります。-

【田万里】私も淋しくなるけど、なんか、自分で見つけた「新天地」って、あこがれちゃうなぁ・・・・。

【乱蔵】俺は、大学は浪人したからなぁ・・・・。地方は生活費は別立てだけど、多少学費が安かったし、奨学金ももらえそうだから、環の希望をかなえてやるかっ・・・て、決心できたよ。
                      
【お蘭】まあ、4年間だからね。飛行機だったらあっという間に着けるし、私も淋しいけど、息子の門出と考えるしかないわぁ・・・。

-まあ、理解のある家族に恵まれて環くん幸せですね。・・・・と、玄関で「ただいまーっ」という元気な声が響いてきました。ご子息環くんのご帰還ですねっ・・・。-


【お蘭】たまきぃ・・・・。ママさびしかったわぁ・・・・・。

-環に抱きついてすりすりするお蘭ママさんであります・・・・。-


【環】うわっ・・・・そんなぁ。小学生じゃないんだから、まだここにいるじゃん・・・・。腹減ったから、何か食わせてくださーい。

-・・・・と、まあ、相変わらず屈託のない環くんであります。お蘭さんはいそいそと、「そーね、待ってね」というと、キッチンでありあわせの食材を盛った皿ライスの上にのせて、即効の「おふくろ丼」をこしらえると、環くんは、台所の隅の椅子に座って、わしわしと食べ始めました。-

【乱蔵】ははは・・・。相変わらず、奴は「木枯らし紋次郎喰い」だなあ・・・・。あの調子で、奴の食事は簡単、シンプルなんだろうかぁ・・・。

【お蘭】もっと、ゆっくり食べればいいのに、あの子はいつでもああなのよね。

【田万里】彼女になった、リカちゃんがたまにちゃんと食べさせてくれるんじゃないのぉ・・・???

【乱蔵】そうかぁ・・・・。あのタイプの子だったら、安心かなぁ・・・・。

【お蘭】前の彼女だったら、どうだっつーのよお!!!!

-突然、乱蔵の「キャバ事件」を思い出したお蘭さんが夫に噛み付いてきましたねぇ・・・。-

【乱蔵】うわっ・・・・そんなぁ。そのことは、もうとっくに・・・・。

【お蘭】とっくにぃ??? なに? なんだっつーのぉ・・・・。ホレホレ/・・・×△■○#・・・・・・・・・・。

-と、夫婦でわけのわからぬイサカイでもめているうちに、環が食事を終えて、ちょっと乱蔵たちと離れて座っていた姉の田万里ちゃんのところへやってきましたよ。-

【環】????親父さんたち、何やってんの・・・・・????

【田万里】ほほ・・・。いつものイチャイチャ・・・・よ。

【環】へーっ・・・なるほど。

【田万里】まあ、あんたのシンプルっさて、むしろカワイイわねっ。

【環】へーっ・・、ねえちゃんって、リカちゃんと同じこと言うんだねぇ。

【田万里】あんなにクルミちゃんのことで悩んでいたのに、リカちゃんが彼女になってから、目が大きくなったみたいになったでしょ????

【環】へーっ・・・そーなんだぁ・・・。あっ、ちょっとゴメン・・・・。

-環の携帯に、九州のリカちゃんからの着信が入ったようで、部屋の隅っこに移動して楽しそうにライブチャットを始める環くんです。-

【田万里】(あーあぁ・・・・。リカちゃんって、いい子だから好きだけど、なんか弟をとられちゃったみたいな気分もちょっぴり・・・・。私も、そろそろ彼氏みつけないとなぁ・・・・・。)


   2017.03.11掲載
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