息子のタマキくんにも女難の気配が・・・。
★家族の戸惑い

 父と息子の女難B


-これもまたまた、運命でしょうかね。-

      前回

   
 立花さん、参上です・・・。。  
   
 
 
 
   
 
-環は、九州の立花さんが東京への出張がてらに連絡してくれたので、翌日の夜、姉のタマリちゃんがバイトしている回転寿司で待ち合わせしています・・・・・。-

-午後8時ジャストということで、環は待合のベンチで待っていると、じきに立花さんの立派な体格が見えてきました。-

【環】あ、立花さん、お久しぶりです・・・・・。

【立花】やあ、呼び出してしまって悪かったねぇ・・・・。今回も、多摩地区で説明会やっているもんだから、タマキくんに会えるんじゃないかって、期待したんだよ。

【環】いやあ、ちょうどよかったんです。今、うちの両親は台湾旅行でいないし、姉もここでバイトだから、夕食はてきとーにレトルトカレーでも食べようかな・・・なんて、思っていたのでぇ・・・・。

-まあ、それはともかく・・・ということで、さっそく2人は席に案内されて、余裕のある家族席なので、ゆったりと座りましたよ。-

【立花】ところで、受験のほうは大丈夫???・・・・。

【環】はい、ほとんど推薦で決まるので、定期試験はきっちりやっているからまあ、ほぼ合格できそうです。

【立花】まあ、それはよかねぇ・・・・。今日は、遠慮せず、どんどん食べたらよかよか・・・。

-立花さんは、製薬会社での成績がいいらしく、気前よく今日もゴチソーしてくれるようですねぇ・・・・。-

-厨房の影から、弟たちの姿を見ていたバイトのタマリちゃんは、立花さんの男前につくづく感心しておりますね・・・・。-

【田万里】(そうかぁ、タマキはオトコ兄弟がいないから、ああいうお兄さんみたいな人がいたらいいなぁ・・・なんて、思っていたんだわね・・・。私だって、あんなお兄さんいたらウレシイもんなぁ・・・。)

-タマリちゃんが、作業しながらチラチラ弟たちに目をやっていると、タマキはバクバク食べながら、とても嬉しそうにしていますね。ときどき満面の笑顔で大笑いしているさわやかな立花さんの表情が見えて、仲のよさそうな兄弟のようにも見えます。-

-そうしているうちに、タマリの先輩が、しばらくすると声をかけてきました。-

【まこと寿司のお局様】ねえ、タマリちゃん、そろそろ上がる時間じゃないの???

【田万里】あ、そうでした。テイクアウトの品支払って帰ります・・・・。

【まこと寿司のお局様】老人ホームのおばあちゃんに会いに行くんだってね。

【田万里】はい、今日は親も旅行でいないので、婆ちゃんのホームにお寿司お土産に持っていって、婆ちゃんの部屋に泊まる約束なんです。

【まこと寿司のお局様】あなたって、孝行なお孫さんよね。お婆ちゃんまた喜ぶわね・・・。

-このお局様は、はじめタマリの作業が遅くて、鬼のように叱っていた、当時は恐ろしい人でしたが、タマリが一生懸命働いてみとめられるようになると、逆に新しい人たちにお手本になる人なんだ・・・・と、ほめてくれるようになった大ねえさんなのでした。-

【田万里】はい、それではお先に失礼します・・・。

【まこと寿司のお局様】お疲れ様ぁ・・・。レジにアナタの注文していた品あるから、レジのみっちゃんに支払って帰ってねぇ・・・・。

-・・・と、いうことで、今夜はタマリちゃん、久しぶりに老人ホームのお婆ちゃんの部屋に遊びに行って、お寿司のお土産つきでお泊りの約束なのであります。-

-一方、タマキくんたちは、大笑いしながら楽しく寿司を食べ続けているところであります。-

【環】へーっ・・。立花さんたちの業界は、そうやっていろいろ忙しいんだぁ・・・・。

【立花】世の中、お金が回るところって、ないようであるもんじゃけん・・・・。どけん頑張ってもいかんものは、いかんばってん、じゃがあるところには、カネば回ってくるばい。

【環】そーですか。薬の業界って、お金が回るところなんですね。。

【立花】そうねー。医療保険制度があるばってん、薬の需要はウナギば、のぼるようなこつあるばい。まあ、ラッキーばい。

【環】今回も、お医者さんたちへの営業ですか。

【立花】わしらは、ジェネリックば売ってるばってん、医療費を抑えたい国も勧めてくれるも、今の時代なぁー。薬の負担はタイヘンな人も多いから、よか仕事かもしれんたい。

-・・・なんて、かなり真面目な話も熱心にしているところであります・・・・。-

-そのころ、姉のタマリちゃんは、予約していたテイクアウトの寿司を受け取って、ささっ・・と、出口から抜けていくところでした。ふと、逆に店内に入っていく、2人連れの若い女性がすれ違いました・・・・。-

【田万里】(あれっ・・・。今の人たち・・・・どこかで見たような・・・・・???)

-タマリは、一瞬のことなのでただ、あれれ・・・・と感じただけでしたが、駐車場で通勤用の自転車の鍵を開けていると、停車したばかりの真っ赤な車が、ふっと目に止まりました・・・・。-


【田万里】(あっ・・・。ナンか派手な女の子・・・・・???、あらら、クルマは外車じゃない・・・・。あ、そーだ、クルミちゃんだぁ・・・・。)

-タマリがそっと、そのクルマをながめていると派手派手スタイルのクルミちゃんと、運転席から出てきたのは、ちょっとチャラけたムードのニイサンでありました。-

【田万里】うーん・・・。なんか、ヤバイ・・・・・ような感ジィ・・・・・・。

-弟のことが心配になったタマリは、スマホのラインで、今みたことをタマキに打って、不安な気持ちを抱えつつ、お婆ちゃんの待つ、老人ホームへ向かいます・・・・。--

続く
                                          
   2016.11.16掲載
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